冷え性は、体の中に栄養や熱、力が足りない状態で、漢方では「虚証(陰性)」といわれます。低血圧、貧血、胃潰瘍、胃炎、胃ガン、潰瘍性大腸炎は、冷え性に多い病気です。うつ病、神経症、自殺なども陰の心から生じ、体のむくみも冷えのある陰性体質から起こるものです。
女性は多くの方が陰性体質になりますが、男性でも先に挙げた病気をお持ちの方は、基本的に陰性体質であると考えてよいでしょう。
一方、陽性は、身体が温かく、「熱症」ともいい、体内に栄養が充実した状態を指します。漢方では「実証」といわれます。
「万病の原因は冷え」という面から考えると、陽性の人は身体が温かく、つまり冷え性ではないのだから、健康ではないかと思われるかもしれません。しかし、陽性の人にも実は冷えがあり、それがもとで病気になります。
陽性体質の人は、若い頃には栄養も熱も十分あるため、ほとんど病気とは無縁の健康体のことが多いようです。しかし年齢とともに血管の内壁にコレステロールや中性脂肪などが過剰に沈着し、動脈硬化を起こして高血圧、脳卒中、心筋梗塞などの病気を起こしやすくなります。また、ガンや痛風、糖尿病、脂肪肝も栄養の摂り過ぎからくる病気です。
では、このような陽性の人が病気を招く冷えとはどのようなものなのでしょうか。陽性の人は体内に十分熱があるにも関わらず、燃焼すべき栄養過剰物、老廃物がそれ以上に多すぎるために完全燃焼できてないのです。結果的に熱が不足するので、冷えていることになります。
身体は、陰性と陽性の中間にある間性の状態が望ましく、健康な状態といえます。
低体温からくる症状、病気

頭痛、たちくらみ、めまい、耳鳴り、鼻炎、くしゃみ、
鼻水、咽痛、咳、不眠、イライラ、肌荒れ、ジンマシン、
肩こり、肋間神経痛、肺、風邪をひきやすい、
食欲不振、吐き気、便秘、下痢、腹痛、ガスがでる、
下腹の痛み、膨満感、腰痛、腰の冷え、頻尿、残尿感、
膀胱炎、生理不順、無月経、月経困難、生理痛、
不正性器出血、不妊、陰部湿疹、かゆみ、むくみ、
足がだるい、しびれる、関節痛、膝の痛み、はれ、
正座ができない、手足の冷え、手足のほてり、レイノー病
冷え性と低体温の違い
手足の冷えなど自覚症状のあるのが「冷え性」、体の内部が冷えているのが「低体温」です。
「低体温」は気付きにくいので注意が必要です。手足はポカポカでも体の内部は冷えていることがあります。腋下の+0.9~1.0℃が深部体温と云われています。
高齢者の4割、子供の3割は「低体温」だと云われていますので、チェックしてみましょう。